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2007年(平成19年)の「能登半島地震」

2007年(平成19年)3月25日9時42分頃、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の能登半島地震が発生し、石川県輪島市、七尾市、穴水町で震度6強を観測した。石川県での震度6弱以上は観測史上初となった。

 

震源に近い輪島市門前町などを中心に家屋に大きな被害があり、1人が死亡、356人が負傷し、家屋損壊は約30,000棟にのぼった。

 

※災害カレンダー:能登半島地震(2007年)3月25日より

https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/calendar/25/

当時の写真が見られます。

◆被害の概要

・平成19年3月25日9時41分、能登半島沖の深さ11kmでマグニチュード6.9の地震が発生し、石川県七尾市、輪島市、穴水町で震度6強を観測した。気象庁は、この地震について、「平成19年(2007年9能登半島地震」と命名した。

 

・この地震により、死者1名、負傷者336名、住家全壊609棟、住家半壊1,368棟、住家一部破損12,326棟の被害が発生した。土砂災害は、天然ダム3件、地すべり10件、がけ崩れ51件が発生した。能登有料道路の被害も甚大で、能登半島では、風評被害とも相俟って観光面に大きな打撃を生じた。

 

・石川県は七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、中能登町、穴水町及び能登町に対し、災害救助法を適用した。これに基づき石川県は仮設住宅334戸を建設した。

 

・また、県は県内全域に対し、被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金支給制度を適用した。

 

・この災害は「平成十九年能登半島地震による石川県鳳珠郡能登町等の区域に係る激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成19年4月20日閣議決定、4月25日公布・施行)」により激甚災害として指定され、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助等の措置が適用された。なお、指定にあたっては、公共土木関係及び農地等の措置について、査定見込額が明らかに現行の指定基準を超えると見込まれる場合には、中小企業関係の特例又は森林関係の措置と同一政令において、早期に指定を行えるよう局地激甚災害指定基準が改正され」(平成19年4月19日中央防災会議決定)、この災害に遡及適用された。

 

◆復旧・復興体制の構築(石川県)

○復興に向けた体制づくり

 

・復旧・復興本部は、復興プランの策定、被災者の生活安定と住宅再建、インフラの復旧、地場産業の復興など、被災地の本格的な復旧・復興対策に部局横断的に取り組むことを目的として、地震の一ヶ月後の4月25日に設置された。また、この本部に、関係部局の課長などからなる「住宅再建」、「まちづくり」、「地域コミュニティ再生」の3つのプロジェクトチームが設置され、被災地に対する支援メニューなどの検討が行われた。

 

・復旧・復興本部では「能登半島地震復興プラン」を早期に策定する必要があり、企画部門が事務局となっている。さらにその後、復興に向けた取り組みを加速させるために、復興に係る総合窓口機能及び調整機能を担い、また、「能登半島地震復興プラン」の策定を推進する新たな組織として、平成19年9月10日、企画振興部内に「震災復興支援室」が設置された。

 

・復旧・復興本部会議は、平成21年1月末までに6回開催されている。

 

◆復旧・復興計画の策定(石川県)

○地震で生じた課題

ヒアリングによれば、次のような課題が生じたとされる。

 

・従来からあった過疎化の問題が顕在化した。特に、地震で家が壊れた高齢者が子供のところに転出してしまう可能性もあった。人がいなくなることは山・田畑の手入れができなくなることを意味し、その結果として美しい環境という資源が失われ、観光にも影響することとなる。

 

・能登の観光への影響を最小限とすることが重要な課題であった。県知事も、まず何をおいても能登有料道路の復旧を急ぐよう指示している。能登有料道路の復旧は、4車線化に備えて用地が取得してあったのでその部分を8か所迂回路として設定することができ、一か月での復旧が可能となった。

 

・七尾市和倉温泉では、一番大きな旅館が被害で一か月営業ができないなど、多くの旅館が被害を受け、地域経済に大きな影響が出た。風評被害も大きく、輪島温泉ではキャンセルが相次いだ。加賀温泉郷など、被害のない場所でも風評被害が大きかった。

 

・なお、特に輪島市では、古くからの伝統的なまちなみが被災したため、次のような観点から再建方策を検討する必要があった。

1) 家屋再建にあたっても歴史的なまちなみを保存する必要がある。

2) 公営住宅を建設するにしても戸建て形式でなければ、まちなみが保存できない。

 

3) 特徴の一つである土蔵の再建に対しては被災者生活再建支援法の対象外であること。


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