☆「同時発生」で見えてきた!


以下は2012年4月19日に発生した、「同時刻」の発生実例です。

 

■2012年4月19日 12時33分頃 発生した2件

「連続発生(=時差発生)」では無く、同時刻に、異なる震源域で発生する事象は、予め想定していたのですが、この日までの発生比率が非常に低かったため、D-Bookには反映させずにいました。

 

言葉では、北が動けば、次は南。地球上では、日本が揺れれば、次は裏側。と記してはありますが、あくまでも、時間をおいて発生する事案です。

 

連鎖・連動型地震の事実は、2011年3月の「東日本大震災」で認識されたと思いますが、狭い間隔での同時発生がある事を、認識しておく必要がありますね。

断層郡による地震がそうですね。

 

ボランティアや活動体の移動距離を制御する為にも、頭に入れておく必要があります。

仮に遠方の支援者が動く場合、次に自所で発災した際には「即刻引き上げ」「途上引き上げ」となってしまい、無駄が増えます。すんなりと戻れるならまだしも、自所手前で発災となれば、回帰ルートが途絶えるかもしれません。この時点で途上遭難者となってしまいます。

 

結論としては、遠方支援は外郭支援・後方支援といった、質量の向上をメインに行うと良いかと思います。

ましてや、物品調達も募金も経済の活きている場所でしかできませんから。

 

 

さて、同時発生時の「情報」にも問題点があります。

 

私の場合、全国の震度1を移動端末で得られる様にしてあります。

これが規模の大きい地震が同時多発してしまうと、受信メール自体が輻輳し、タイミング的に6、7通のメールが一気に入ってくる事もあり、時系列すら読み取れない事になるのです。中には前後して受ける場合もあります。

 

これらはTVやラジオも同様で、マルチに情報を得る為には、一機種では足りなくなるのです。

 

「阪神・淡路大震災」以降、警察・消防無線も全国共通波を選定し、相互の互換性をも高める工夫を行ってきました。

 

しかし、発災時の通話量は並み大抵の量ではありません。

 

しかも、固定周波数でしか行えない通話(基幹系)や、部隊を名指しにした通話(部隊活動系)。さては、隊員個人に指示しなければならない時(署外活動系)。少なくともこの3系統は必要なのです。

 

民間防災ですら、「HAM」+「デジタル簡易無線」+「特定小電力」をフルに活用しています。

 

そう考えると、情報を提供する機器も、収集する機器も、多く必要になる事がわかりますよね。

 

 

では、報道や放送局はどうかというと、こちらも錯綜した情報整理には時間がかかります。

 

テレビ局では、キー局が気象庁などの情報と同時に、被災ローカル局からも情報を求め、まとめていきます。また、記者発表や会見の場もあり、共有情報も提供されますが、これにつながるまでにも時間がかかります。

 

小刻みな情報を如何にまとめあげられるか?のテクニックが必要となります。

 

それぞれがそれぞれの筋から情報を求めながら、進展していくしか無いのでしょうね。(インターネットも同様です。)

 

さて、TV放送では、三つの地震が同時発生したならば、チャンネルが1chしかない場合は、今まで通り、順番に伝えるしかありません。しかし世は「デジタル放送」となっています。

デジタル放送となれば、各局の割当チャンネルも増えるでしょうから、事案毎のチャンネルとして振り分ける事も可能になっていく可能性もありますね。

BSなどの衛星放送にも複数のチャンネル割当がありますから。

各局に3chの割当があるならば、3事案には対応できるでしょう。

 

例えば「震度5強」が3カ所(第一発生区:北関東~東北地方 太平洋沖/第二発生区:北陸地方 石川県小松沖/第三発生区:九州地方北部広域)同時に発生した場合、、第一、第二、第三を各チャンネルに割り当てることも可能でしょう。

 

広域になれば、1区域のエリアも広げていけば、なんとか見やすく、整理しやすくとはなるでしょうね。

 

 

問題はラジオですね。

 

送信周波数は一つでしょうから、当該地方のラジオ(FM・AM)局は「当事者情報」のみの放送となってしまいます。被災地の局ならばこれで良いでしょう。

 

ならば、被災地に隣接する地方局(上記の仮定では新潟・長野・群馬・埼玉・栃木など)となると、どうでしょうか?

 

直接被害の無いエリアですが、情報は少なくとも2方向(第一発生区と第二発生区)の情報を提供しなくてはなりません。

広域事案となると、凄まじい情報量となるのが見えてきますよね。

 

この状況が、来る「東海地震」「東南海地震」「首都直下型地震」など、大平洋ベルト地帯を襲う、連動型地震にあらわれて来るのです。

 

それが同日同時刻に発生しないまでも、数日の内に発生する「時差連動型」であっても、間違い無く同様となるでしょう。

 

情報化社会が情報により崩壊する引き金になる要素とも言えます。

と考えれば、災害大国での一番のネックは「確実に情報を得、精査でき、発信できるか?」にかかっている気がします。もちろん、手を挙げている部分を見逃さない事で、可能になるんですよ!